PECSでの主語と呼びかけは、日米でなぜ食い違ってきた?

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人との関係性、PECSというキーワードが今週私の頭を渦巻いており、今日のおめめどうセミナー聴講で「誰と対峙しているか。仲介はするな。」というフレーズから、ある矛盾が浮き彫りになってきた。
2009年の私のエントリーの「絵カード(PECS)に日本語と英語の違いが出る」でも、半分は気づいていることだった。
「ボールを欲しい」という内容の文章を絵カードで作るとしよう。
英語では、「 I want 」 「 ball 」
日本語では、「ボール」「ください」
が一般的である。
ところが、日本でありがちなのは、「ボール」の前に人物の呼びかけを入れるように指導している。
「ママ」「ボール」「ください」
「○○先生」「ボール」「ください」
日本語では主語は省略されるが、もともとは、I want だったはずで、主語はあくまでも “I” 本人だ。「ママ」とか「○○先生」と呼びかけないでも、この文章バーをもって渡しているあるいは説明しようとしている人がいるのだから、呼びかけている相手は自明だ。
「ママ」「ボール」「ください」の構文は、
(1)ママがボールを欲しがっているのか、
(2)私がボールを欲しがっているのか、
どっちなんだ?
こういうときは、正規のマニュアルをみる。
PECSの日本語マニュアルをざっと読み返してみたが、人を呼びかけるような構文、フェーズは見当たらなかった。語順は、「ください」「見えます」は日本語的に最後に来ている。英語版では、”I want” や “I see”が先頭に来る。
人の関係性を教えていく上では、「呼びかけ」は要注意かもしれない。

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コメント

  1. パンダパパ より:

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